最終章最終章 少年は、手紙花と呼ばれる花に顔を近づけて言った。 この花が外の世界につながっている事を密かに知っていたのだ。 「迷い込んだ世界で僕に届いた手紙の数は、両手では数え切れないよ。 かけてもらった優しさは、足の指を入れても足りないくらいだよ。 みんなのおかげで僕はココに居られるよ。 みんなのおかげで僕は、僕は生きていられるよ」
少年の木から一粒のしずくが落ちた。 それをきっかけに少年の木の枝には見たこともない実が実り始めた。 少女がくれた幸せの粉は、少年の木に種を蒔いてくれていたのだ。 その木は現在、カステラの木と呼ばれている。
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